近年の自動車窃盗はプロの犯行によるものが増えており、特定の車種を中心として明確な狙いを持って行われることが多くなってきています。実行犯とは別の調査担当が特定車種の駐車場所情報を買い集め、事前調査を行うなど高度に組織化されています。犯行時にも警察無線の傍受やレーダーを使用しするなど、警察車両の所在位置まで考慮したうえで犯行に及ぶため、現行犯逮捕が非常に難しいものとなっています。2014年の盗難車ベスト3はプリウス、ハイエース、ランクルで、この3車種で全体の40%を占めているといった状況です。4位以下の車種も海外で人気の高い車が続いていますが、犯罪時に逃走用として使用する目的で盗まれる車両もあるため、人気車種以外だからといって油断はできません。直近で発売されている自動車は正規のカギでないと始動できないイモビライザー搭載車が増えるなど防犯性能が高くなってはいますが、カーセキュリティーの更なる強化のためにもホイールロックやハンドルロックを設置されることをおすすめしたいと思います。
ハンドルを固定して操作できないようにするハンドルロックは、3000円程度から購入可能な手軽なセキュリティ強化グッズです。プロの窃盗犯にとってはどうしても外せないというほどセキュリティ性能が高いわけではありませんが、車に近づいただけでハンドルロックによってオーナーの防犯意識が見て取れるため、その他の装備の可能性も考慮して手を出さないという効果も期待できます。ハンドルロック購入時には鋼鉄素材の堅牢で折れにくいものを選ぶことがポイントです。
ホイールロックは1000円台から購入可能な手軽なセキュリティーグッズで、アルミホイールの盗難防止に優れた効果を持っています。カラーバリエーションが豊富なファッション性の優れたモデルから、防犯性能の極めて高いものまで各メーカーから多数販売されています。購入・利用時の注意点としては利用車種に応じたネジ径・ピッチを選択することと、必ずユーザー登録を行っておくことです。ホイールロックのナット・ボルトは独自キーパターンを採用したものが多く、一般的な錠前と同じように同一メーカーの同商品だからといって、他のキーを流用できない仕様となっているものが多くあります。このため万が一専用の取り外し用工具を失くした場合には、本当に取り外すことができなくなるという危険性があります。ホイールロックの利用時にユーザー登録を必ず行うべきという理由に関しては、キーアダプター再購入の条件としてユーザー登録を義務つけられているケースが多いためです。