住宅に備え付けられた玄関の扉にはいくつか種類がありますが、日本に多い開き戸・引き戸タイプにも鍵は必要です。引き戸にも防犯性の高い錠を付けることができます。
玄関の扉で真っ先に思い浮かぶのは開き戸タイプのドアですが、和風の雰囲気を保った日本家屋では今も横に開ける引き戸タイプの扉がよく用いられています。扉を開けたときに前後にスペースが必要なく、横にスライドして扉を収納できることから、玄関のスペースが狭いときなどには便利な構造です。
しかし一方で、防犯性が弱いと言われていることも事実です。開き戸のように機密性の高い錠を取り付けることが難しく、侵入犯に突破されやすいという弱点は否定できないのです。しかし近年の錠自体の性能が向上していることもあって、引き戸にも突破されにくい錠を付けることが可能になっています。
錠の仕組みの要であるシリンダーにもより精巧な作りのディンプルシリンダーを採用したものもあり、そうしたタイプのものを取り付ければ防犯性はぐっと向上します。
引き戸の錠をはじめとして幅広く用いられているディンプルシリンダーは、年々巧妙になっているピッキングに十分に対応できる防犯性の高い仕組みとなっています。従来はディスクシリンダーや比較的単純な構造のピンシリンダーの錠が主流でしたが、ピッキングで突破されてしまうケースが急増したことから、ディンプルシリンダーの開発が行われたのです。その仕組みの特徴は以下のようなものです。
シリンダーの種類の中で、いくつかのピンが錠の中にあり、そのピンの構造に合う鍵でないと開けられないのがピンシリンダーです。従来のピンシリンダーで一般的なものは、ピンが6本程度組み込まれており、それぞれの錠で異なる形を形成しています。ディンプルシリンダーは、そのピンがさらに多く組み込まれ、簡単には突破できないようになっているのです。
従来のピンシリンダーよりもさらに複雑な造りとなっているのがディンプルシリンダーですが、その大きな違いはピンが複数列になって組み込まれていることです。従来は1列に6本程度だったのが、ディンプルシリンダーは5~8列に6本ずつといったように、その形の組み合わせをより複雑にすることで突破しにくくしているのです。
玄関の引き戸に設置する錠をディンプルシリンダーに換えるには、鍵専門の業者に依頼して引き戸に合うタイプのものを選んで交換してもらうのが一番です。自らDIYで設置する方もおられますが、引き戸のタイプに合ったものや希望する性能などを考えて的確に選び出すのはなかなか難しいものです。
また、同じようにディンプルシリンダーを採用した錠であっても、メーカーや品番などによって価格もさまざまです。鍵の業者とよく相談を行って、引き戸に合うタイプや自分の希望、そして何より予算などを伝えた上で最適なものを取り付けてもらえばきっと満足のいく結果となるでしょう。
私たち鍵屋は今までの経験をもとに、お客様のお宅の引き戸・開き戸問わず、さまざまなドアに合った鍵をご提案させていただきます。少しでも興味をお持ちになったら、ぜひ一度ご相談ください。