マグネットロックとはその名の通り磁石を利用したロックシステムのことですが、錠前のロック解除部分に磁力を利用する「鍵がマグネットの物」と、マグネットの磁力でドアなどを強力に固定することでセキュリティを守る「電磁錠タイプの物」があります。鍵穴トラブルが発生しないことで人気のマグネットロックですが、このページではマグネットを利用したロックシステムの数々をご紹介していきます。
電磁錠はドア扉の枠側に強力な電子磁石を取り付けて、扉の鉄板を吸い付けることで施錠する仕組みになっています。電源としてはDC12V対応のもの、DC24V対応のもの、両対応のものがあり、電源とコントローラーが別途必要になります。停電時の動作は物によって異なり、閉じ込めを考慮して開放するタイプと施錠状態を維持するものがあります。もちろん補助電源を装備することで停電時のセキュリティ確保も問題なく可能です。吸着力は250Kgといった強いものですから、ちょっとやそっとで開けられるものではありません。防犯性能は高く構造的にシンプルで故障しにくいといった特徴からも人気のあるロックシステムです。
マグネットキーは磁石のS極・N極の組み合わせによって鍵違いを実現するもので、電子錠・電子キーなどと呼ばれることもあります。実際にはS極・N極以外にもダミーの磁石を混ぜ込むことで大幅に組違い数を増やしているため、複製の難しいセキュリティ性の高いロックシステムといえます。マグネットキーの形状は様々で、カードタイプの物から従来通りのキー形状で鍵穴に差し込むマグネットキーもあります。通常はマグネットキーによって鍵穴やダイヤルをもたせず、ピッキングやダイヤル番号の総当りといった不正開錠を困難にするために利用されます。マグネット式のロックシステムは構造的にゴミや砂などが入り込む部分が無いため、シリンダー錠にありがちな鍵穴トラブルが発生しませんし、電源がいらないため屋外での使用にも適しています。一般的でよく見かけるものとしてはバイクやスクーターの鍵穴シャッターの開閉部ですが、ワイヤーロック、チェーンロック、南京錠など屋外で使用される事が多い鍵には大抵マグネットキータイプのものがラインナップされています。その他の採用例としてはマグネット式耐火金庫、カバン、スーツケース、お子様のいたずらや危険防止のために有効な、棚や引出しに後付け可能なマグネットキーなども販売されています。