サムターン回しという不正開錠方法を御存知でしょうか?サムターンとは玄関や勝手口扉錠前の室内側についている、親指と人差し指で挟む形でひねることで鍵を開けたり掛けたりする部品の名称です。鍵穴に特殊な金属部品を差し込んでロックを解除する、ピッキングが一般にも広く知られるようになったため、ピッキング対策を済ませた防犯性能の高い錠前が徐々に普及してきています。このためピッキングに代わる新たな侵入方法として、このサムターン回しという手口が増加してきているのです。
サムターン回しの方法を簡単に説明すると、玄関や勝手口扉に穴を開けて針金などの金属片をそこから挿入し、内側のツマミを引っ掛けて動かしてしまうというものです。扉の材質にもよりますがハンドドリルなどを使用すればほとんど物音を立てずに作業できることから、外部からの見通しが悪い住宅、勝手口、中層、高層マンションなどで行われるケースが多くなっています。またドアポストやドアスコープを外してそこから行われることもありますし、ドアとドア枠の隙間から特殊な工具を滑りこませて行われるケースもありますので、金属製ドアのお宅でも安心はできません。ちなみに扉に穴を開けるまでの所要時間は、電動ドリルで20秒以内、ハンドドリルでも1分以内、特殊工具を使用されたケースでは5秒以内というデータもありますので、仮に補助錠を取り付けていた所であっという間に侵入されてしまいます。これらの例からも未対策の住宅がサムターン回しに狙われた場合には、いとも簡単に侵入されてしまうということがご理解いただけるかと思います。
サムターン回しに対しての防犯対策としては、サムターン回りにガードとなるカバーを付けて針金などを届かなくする、サムターンに丸いつまみを付けて針金などを引っ掛けられなくする、といったサムターンカバーの取り付けや、一度押し込んでからでないとサムターンをひねることが出来ないサムターンへの変更などがあります。最も強力な対策としてはサムターンにシリンダー錠を取り付けることで、内側からも鍵を使用しないとあかなくしてしまう「インナー錠」への変更です。インナー錠であればドアに手の入るくらい大きい穴を開け、直接サムターンを手でひねるという更に荒っぽい侵入方法も防ぐことが可能です。窃盗犯は侵入に時間がかかる住宅は捕まる危険性を考えて素直に諦めますから、インナー錠だとわかった時点でそれ以上時間を掛けることはあり得ませんからとても有効な防犯対策となります。ご自宅の玄関ドアや勝手口の錠前がインナー錠などに変更できるかなど、ご不明な点があれば弊社スタッフにお気軽にご相談ください。